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ファイブ レビューその2 [バスケものレビュー]

ファイブ

ファイブ

  • 作者: 平山 譲
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 2004/10
  • メディア: 単行本
 
よく考えたら,この本を読んだ直後に書いたレビューがパソコンの中に残っていた。最近物忘れが激しくなっているので,このレビューの方が今書いたものよりきっとましなはずなので,以下あえて掲載することにした。
 
 

話の中心は,アイシン精機・・・アイシンシーホースというJBLスーパーリーグで活躍するチームの初優勝に至るまでのストーリーが書かれたものである。

そして,そのチームがなぜ,こうして文字として書かれるに値するチームであったのかということを考えると,この話が本当に訴えたかったのは何かということが見えてくる。

 

アイシンシーホークスの成功物語がこうした本になりえたのは,言うまでもなく「リストラ軍団」であったからである。

そして,この「リストラ」という言葉の背景にあるものが,この本の主題である。つまり,日本のバスケットボールを取り巻く環境がいかに厳しいものであるのかということを,この本を読むと痛感せざるを得ない。まさに,日本で頂点にたったチームの選手でさえ,こんな扱いなのか,と愕然とする。もちろんうすうすは知っているが,こうして文字で読むと,余計に痛感する。

しかし,一方で,このリストラ軍団がそれぞれの経歴,家族などを背中に背負い込みながら,それぞれアプローチは異なるにせよ,バスケットボールにひたむきに取り組んでいることも,痛感する。

 

まさに人生そのものである。

 

今まだバスケットボールをしている人に一度読んで欲しい。そして,次の言葉を心に刻んで欲しい。(以下,本文から引用)

 

「アイシンバスケットボール部チーム心得」鈴木貴美一

1,あらゆる体験がその人の大きな力となり,人生の支えになる。

1,難に遭遇した時こそ自分の真価を知る良い機会である。

1,苦境を味わう気持ちになった時すでに問題は解決に向かっている。

1,雨や嵐があってこそ晴れのありがたさがわかり,苦しみや悲しみを味わった人に本当の幸せがわかる。

1,一つの考え方にこだわっていると,新しい考え方は見つけられない。

1,個人の幸せはチームの繁栄が確立してこそ成り立つ。

1,与える時は人は豊かになり,惜しむ時命は貧しくなる。

1,異なる働きをしながら心を一つにあわせていくのがチームである。

1,思いやりの心が貧しいと気づかぬうちに人を傷つける。

1,勝った時はチーム全員の力。苦しい時一番惨めなことを考えられる人間になれ。

1,仲間の不足を思うのはその人間の一面しか見ていないからである。

1,井の中の蛙になるな。チームメイトと比較しないこと。スポーツは自分自身との闘いである。

1,過去の実績にとらわれていると,伸びるものも伸びない。実績は今から作るもの。

1,過去を自慢するものは進歩の止まった証拠。

1,逃避しないこと。一つのことができない人間は他のことができない。

1,十回やって一回勝てるとしたら,その一回を最初に持ってくればよい。

1,ベンチの中で一人でも負けるかもしれないと思えば,試合には絶対勝てない。

1,マイナス思考にならず,プラス思考で常にいること。前向きに考えることが運を呼ぶ。

1,欠点は人より時間がかかることなので,努力し長所を伸ばすことも決して忘れてはいけない。

1,練習では一番下手だと思い,試合では一番うまいと思え。

1,人が不幸になればいいなどと考えるな。それは最後に自分に返ってくる。幸せは精一杯努力して自分自身でつかむこと。

1,感謝する心が自分自身の幸せの基盤となる。

 

そして,今年のFIBA世界選手権の日本開催という日本のバスケットボール界にとって最大のターニングポイントを迎える。これをどう活用していくのか,この本に書かれたままなのか,サッカーに近づけるのか,その真価が問われる。


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