日本のバスケ界 [バスケものレビュー]
今年8月にバスケットボールの世界選手権(サッカーで言えばワールドカップ)が日本で開催される。
我が町広島でも予選ラウンドが行われ,日本代表ほか計6か国が総当り戦を行うことになっている。
しかし,サッカーとは違い,そんな事実を知っている人すらあまりいない。地元の地方紙でも,時々大会を盛り上げようとする記事が見受けられるが,それでも多くの人の関心を呼ぶことはない。
一方で,日本のトップレベルでは,分裂してプロ化したリーグがあったり,最高峰のリーグが経営難で脱退するチームを出したりと,とても盛り上がれそうな雰囲気すらないような気もする。
そんな厳しい環境にある日本バスケットボール界の一端を理解することができる本として,「ファイブ」(平山譲著 NHK出版)を紹介したい。
この本の帯には,「リストラから始まる「敗者たちの」逆転ドラマ。」とあるが,要するにアイシンのバスケ部の話である。しかし,それぞれにドラマがあり,バスケに限らず,それなりにスポーツに打ち込んだ経験のある人ならぐっとくる場面も少なくない。
しかし,冷静に考えると,この本の主人公たちは,バスケットボールという日本でも最大規模の競技人口を誇るスポーツのトップ中のトップにいる人たちである。それにしては,何とも寂しい・・・。少なくとも日本では,競技人口としては多いものの「観るスポーツ」として発達していないということを改めて我々につきつけてくれる・・・そんな気がした。
とはいえ,個人的には,この競技を何とかして日本で盛り上げていきたいもんだと思う今日この頃です。サッカーだって,Jリーグできる前は全く「観るスポーツ」として発達していなかったのは事実ですから。そう考えていくと,日本人って「スポーツを観る」ということがへたなのか,好きじゃないのか・・・。
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